その日。

――「準備が整った」と。
一度目と同じように、客達は墓前へと集められた。

「…皆様、お集まりいただき…ありがとうございます」

「これより、故 漣夏恋様…及び、九牙原つぐも様の…弔いの、儀を行わせて頂きます…」


少年のときと同じように、女将が名のない墓石に指をなぞらせる。

ひとつに名が浮き出ると、続けて隣の石へ。

先日落命した、ふたりの少女の名が刻まれた。



するとひとつ、青い灯火が揺らいだ。



>>>死者の回想 ふたりめ、さんにんめ



続>>>少年、水浸し

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