夕餉が終わり、客たちはぽつり、ぽつりと部屋へと戻りはじめた。
ある者は疲弊した体を休めるため、早々に床に付き。
ある者は眠れぬまま窓から月を眺める。
「今夜は月が満ちているな」と、誰かが思う。
光のないこの場所で、星と月だけが煌煌と宿を照らしていた。
窓の外からは、上風に撫でられる草木の音だけが響き、
ひとびとは夜半(よわ)の静けさに身を浸していく。
――と、そのとき。
リン、―――――と。
鈴の音が響く。




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