裁判に指定された当日、夜。

集められたのは、『練習』と称されたあの裁判と同じく大広間だった、

―――が。

前回とは、様子が変わっていた。

部屋は薄暗く、電灯は点いていない。

障子には中庭にはあるはずのない墓石の影が浮かび上がる。

前回同様に並べられた座布団のまわりは、囲むように蝋燭の炎が揺らめいていた。

――ただふたつ、もう座る者のいない席の周りの蝋燭を除いて。


先に命を落とした二人の席の前の畳には、遺影が立てかけられていた。


>>>一章 裁判



続>>>死者の回想 ふたりめ、さんにんめ

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