―――早朝。
その日、客室の座卓には見慣れぬものが置かれていた。
小さな袋に入れられた、1錠のカプセル。
横には、なだらかな女の字で書置き。
曰く。
―――絶望病の対抗薬が完成しました。
感染していても無症状の方がいる可能性も否めませんので、必ず全員この薬をお飲みください。
ひとり、またひとりと目を覚ました客達は、
訝しむ者もいながらも皆その薬を飲み下す。
しかし、時刻はまだ、覚醒の遅い者は微睡みから抜け出せぬ頃合い。
一人の客が、他の者より一足はやく階段を下りた。
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三章 非日常
続>>>
三章 裁判
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