その日は晴天だった。
雲ひとつない青い空の下、女将の呼び出しの元に客達は墓地に集まっていた。

「みなさま…お集まりいただき、ありがとうございます」

「本日は――故、緋彩狛犬様…及び碓氷悠様の弔いの儀をおこないます」

「…では」

もう、三度目になる。
こうして死んだ、同じくして迷い込んだ客の弔いをするのは。

女将はいつものように、名のない墓石に指を滑らせる。
ひとつ、ふたつ。

先日新たに死んだ二人の名が、浮かび上がる。




>>>死者の回想 よにんめ、ごにんめ、



続>>>絶望病、発症

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